最終更新日 2023年6月27日

買収防衛策の中でも事後に発動させる防衛策を見ていきます。
まずは「第三者割当増資」ですが、新たに株式を発行することで発行済み株式を増やし、敵対的買収者の持ち株比率を低下させるやり方で、指定された既存株主や取引先企業などのみが、市場価格と比べ有利な価格で追加株式を購入することができます。

なお、指定された対象者のみではなく、既存株主全員に公平に株式を発行するケースでは「株主割当増資」と呼ばれ、買収防衛策とは区別して取り扱われます。

「ホワイトナイト」と呼ばれる買収防衛策は、文字どおり「白馬の騎士」を意味するものであり、敵対的買収を仕掛けられた際に、友好的第三者(ホワイトナイト)に、意を汲んでもらって自社株を購入してもらうことで、敵対的買収者から身を守る方法のことです。

また、「逆買収」といわれる方法で、敵対的買収者に対して、逆に買収を仕掛けるやり方もあり、これを「パックマン・ディフェンス」といいます。

これは名前にもなっている有名ゲーム「パックマン」において、追われる側の「パックマン」が、あるアイテムを利用することで、敵キャラクターを食べるという方法で反撃できるところが由来となっています。

「焦土作戦」と呼ばれる方法は、敵対的買収者の狙いである重要な事業部門や企業資産を売却してしまい、買収するメリットを消滅させるやり方です。

「スコーチド・アース・ディフェンス」ともいわれ、意図的に負債を引き受けたり、計画的に倒産させて株価を暴落させるなどの方法もあります。

この方法における企業価値の要因の一つである「重要資産」のことは「クラウン・ジュエル」と呼ばれます。

この他には「ジューイッシュ・デンティスト」と呼ばれる方法で、敵対的買収者の弱み、弱点を、マスコミなどを通じて広く喧伝することで企業価値や社会的信用を下げつつ、それらの対応に追われるため、買収意欲が低下する方向に持っていくやり方などもあり、これは実際の過去事例がその由来であるといわれています。

 

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投稿者 nisarchive