最終更新日 2023年6月27日

空調設備とは文字通り空調に関する設備のことで、具体的にはダクトや送風機などを挙げることができます。
屋外だと自然に空気が発生して常に新鮮な状態が保たれますが、気密性の高い建物においては、人工的に外気を取り込んだり汚れた室内の空気を排出することが不可欠です。
この為、現代の住宅には必須の設備だといえますし、これなしに人の健康を守ることはできないといえるでしょう。

ファンの回転による空気の流れを作る換気扇は代表的な空調設備

初期の空調設備は、窓や通気口のようにパッシブでシンプルな設備でしたが、時代が下るにつれて次第に電気を使ったアクティブな設備が誕生、発展することになります。
ファンの回転による空気の流れを作る換気扇は代表的な空調設備で、高気密な住宅では24時間換気が義務づけられているほど、重要性の高い設備です。
降雪地域など冬の気温が大きく低下する地域においては、全熱交換器と呼ばれる換気扇が導入されています。
全熱交換器は室内の暖かい空気を屋外に排出せず、汚れた空気を排出しつつ熱は回収する仕組みです。
これにより冬の寒さを我慢しながら換気扇を回したり、寒いからと換気扇を止めずに済むわけです。
窓を開けずに常時換気ができますし、暖房器具の無駄を減らすことが可能なので、今では建築法の改正によって常時換気設備として義務づけられているほどです。

温度調節や湿度のコントロールを行うものも含まれる

また、数ある換気扇の中には、除湿機能も持つ製品もあって、空気の入れ替えに加えて湿度も調整できるようになっています。
空調設備は何も空気そのものだけでなく、温度調節や湿度のコントロールを行うものも含まれます。
例えばエアコンは代表的なもので定番中の定番と言っても過言ではありませんし、昨今の気温上昇を伴う温暖化においては、もはやなくてはならない設備です。
エアコンは屋外に設置する室外機で快適な温度を作り出し、室内機でお部屋の空気を快適にする仕組みです。
その為、大半のエアコンには空気を入れ替える換気機能がないので、エアコンを使用する際には換気扇を併用するか、定期的に窓を開けて空気を入れ替える必要があります。
エアコンはあくまでも快適な温度の空気に比重を置いた設備ですから、空気の綺麗さや湿度に関しては二の次となります。
大抵は除湿もしてカラッとした空気を作り出しますが、製品によっては稼働することで逆に湿度が上がったり、運転を止めると湿気が室内に戻る製品もあるので注意です。

エアコンの性能を引き出し発揮するには建物の気密性を上げることが必須

エアコンだけではなく、エアコンの性能を引き出し発揮するには、建物の気密性を上げることが必須です。
気密性が低い住宅でいくら設備を動かしても、隙間から空気が入り込んでしまったり、反対に漏れ出ることになります。
これでは折角の快適な空気に外気が混ざったり、屋外に逃げてしまうことになるので、エネルギー効率が下がり無駄が多い結果に至ります。
快適な空気を作り出すのに必要なエネルギーは馬鹿になりませんし、無駄を無視すれば環境負荷が増加してしまいます。
このようなエネルギーの使い方は時代に反しますから、エアコンを使うなら建物の気密性を意識して、無駄を少しでも減らすように努めることが大事です。

断熱性は快適性を省エネルギーで実現したり保つのに大切

気密性と同様に重要なのは断熱性で、こちらも快適性を省エネルギーで実現したり保つのに大切なポイントです。
断熱性が低いと、窓や壁から冷気が伝わってきたり、暖めたお部屋の熱が外に逃げることになります。
夏場はいくらエアコンをつけても快適にならない、止めるとすぐに室温が上昇するといったことになるでしょう。
気密性に関しては、隙間から外気が入り込み室内の空気が入れ替わるので、換気ができるという点はメリットといえなくもないです。
ところが、断熱性は低くて良いことはなにもありませんし、熱が伝わりやすく逃げるような古い設計の建物は無駄が大きくなってしまいます。
だからこそエアコンは気密性と断熱性を高めつつ、無駄なく使用することが求められます。

空気を送るダクトや送風機にエアフィルタと、空気清浄機などを挙げることが可能

換気扇は一般住宅向けだと、1室のみの換気に特化していたり、住宅全体の空気を常時入れ替えるような作りになっています。
一方でビルの場合は、建物全体を効率的に新鮮な空気で満たしたり、水を使って熱を運び冷房や暖房に活かす点が大きく異なります。
空調設備の資材で定番といえば、空気を送るダクトや送風機にエアフィルタと、空気清浄機などを挙げることが可能です。
これは主に換気に関わる資材ですから、除湿や加湿となるとまた違ってきますし、送配するものによっても配管はまるで異なります。
工場などの環境においては、製造過程で発生した蒸気を排出したり、冷水によって冷やすなどの設備も必要になってきます。
制御方法も自然に任せるものだけでなく、電気を使ったり電子的に細かくコントロールするタイプも存在します。

まとめ

空調の効率を高めつつエネルギーの無駄を抑えるには、やはりセンサーで状況を把握しながらコントロールすることが不可欠ですから、細心の空調設備はハイテクで無駄が少ないです。
木造住宅で普通に生活するならアクティブな設備は必要ないかもしれませんが、コンクリートに囲まれ断熱材が敷き詰められている建物においては、これらの設備が欠かせないです。

 

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後藤悟志 太平エンジニアリング 経歴

投稿者 nisarchive