最終更新日 2023年6月27日

働き方改革が後押しとなって、起業家を目指す人が増えてきました。
その積極性自体は喜ばしいものですが、多くの人がすぐ廃業に追い込まれているのは問題です。
これから起業するなら、どうして失敗しやすいのか理解しておくことが重要です。
その要因を回避するように行動すれば、光本勇介氏のように事業を継続できる可能性は高まるでしょう。

参考:光本勇介

運転資金が不足してしまう

いろいろな要因がありますが、代表的なのは運転資金が不足してしまうことです。
1円で会社を作れるという話を聞いたことがある人は多いでしょう。
この話には誤解を生じさせる点もあるので注意しなければなりません。
制度的には1円で可能な場合もありますが、実質的にはほとんど不可能だと考えてください。
企業は存在しているだけで費用が発生するものだからです。
1円で興した会社をそのまま放置するなら、もはやそれはペーパーカンパニーでしかありません。
企業が土地や建物を所有するなら税金がかかりますし、電気や水を使う場合も水道光熱費がかかります。
インターネットを使うなら通信費が必要ですし、事業に使う証明書を発行するなら支払手数料も発生します。
もちろん起業の際にいろいろなものを揃えれば、消耗品費なども著しく大きくなるでしょう。
こうして多額の支出があるにもかかわらず、前述の1円の話を鵜呑みにするような人が目立ちます。
特に会社勤めだった人に多く見られる傾向であり、企業に守られていたことを認識していません。
自分が事業主になるなら、あらゆる費用を自分が負担することになるのです。
甘い見通しで始めた結果、資金がショートを起こして廃業することが珍しくありません。
資金をショートさせる原因は他にも多くあるので気を付けましょう。

売掛金を回収できなくなる

売掛金を回収できなくなることもその一つです。
会社勤めの場合、給料は自動的に自分の口座に振り込まれます。
しかし、自営業の場合は自分で回収しなければなりません。
たいていの取引先は、支払の約束をしておけば、きちんとお金を振り込んでくれます。
しかし、期限になってもアクションを起こさない相手もいるのです。
その場合は、自分から働きかけて何とか支払ってもらわなければなりません。
信用をベースにおいた売掛という精度の弱点ですが、それを誰もフォローしくれないので要注意です。

ファクタリングの利用なども視野に入れる

ファクタリングの利用なども視野に入れて、自分で何とかしないと資金がショートしてしまいます。
帳簿上は売上があるのに現金が手元にないので、経費や仕入れの支払いで困ることになるでしょう。
また、帳簿や取引の証憑をしっかり管理できず、途中で投げ出してしまうケースもあります。
企業の従業員なら、社内のルールに従っておくだけで支障はありません。
法律面は他の部門によって十分に保護されているのが一般的です。
しかし、起業家になれば基本的に法的な対処も自身で行わなければなりません。
もちろん税理士や顧問弁護士に協力を仰ぐことも可能ですが、起業したての頃はそれらと契約していないのが一般的です。
そのため、自分で勉強して取り組むのですが、難しいと感じて辞めてしまうケースがよくあります。

2022年1月から電子帳簿保存法が改正が施行される

法律は毎年改正されるので、最新の情報を入手して理解する努力しようとする努力も大事です。
たとえば、2022年1月から電子帳簿保存法が改正が施行されるため、電子的な保存を推進していくことになります。
しかし、改正の事実すら知らないという起業家が少なくありません。
つまり、本業以外の部分で対応しきれないことが重要な課題です。
これは本業に関しては大丈夫という意味ではなく、スタートラインにすら立てていないことを意味します。
本業においては、すでに先行している事業者が山のようにいるはずです。
自分が開拓者のように思える分野でも、たいていはすでに食い散らかされた後です。
新規の分野はほとんど残っていないと認識しておきましょう。
言い換えると、先行している事業者に追いつくためのアイデアがいるということです。
そして、そのアイデアを実現するために資金も必須となってきます。
とはいえ、前述のように資金不足に陥っていると、せっかくのアイデアも水の泡になりかねません。
その場合は公的な補助制度を使えないか調べましょう。

まとめ

たとえば、一定の条件に当てはまるアイデアを伝えることにより、事業を軌道に乗せるための融資をしてもらえる制度もありました。
また、パンデミックが起こったときに、事業を持続させる給付金も支給されています。
ただし、自動的にもらえるものではなく、正しいフォーマットで申請しなければなりません。
それができずに文句を言う起業家も多く見受けられました。
厳しいようですが、申請すら自分で行えないなら、この先の苦難を乗り越えていくことは困難です。
自分の責任で事業を成功させようとする意気込みが不可欠であり、貪欲にあらゆるノウハウを吸収していくスタンスが求められます。
このような実情があるので、起業を検討している人は自分に可能かどうか熟考しましょう。

投稿者 nisarchive